Reports( 2003/03/19 現在 )QE2 エンサイクロペディア キュナード社の歴史と伝続の軌跡


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キュナード社の歴史と伝続の軌跡


キュナード社の歴史の資料です。

ここで、内容をご紹介します。

キュナード社の歴史と伝続の軌跡
THE CUNARD HERITAGE TRAIL


1840年7月4日、サミュエル・キュナードをのせた木造外輪船ブリタニア号はリヴァプールからハリファックス、ノヴァスコシア、ボストンヘと向けて出港しました。ここに世界で初めて大西洋を横断して定期的に郵便物と乗客を運ぶ蒸気船サービスが始まったのです。そして、キュナード社は1840年以降、次第に力をつけ、200隻を超える船を運行するようになりました。
小さなスタートを切ったキュナード社は、やがて急速に成長しました。1850年以降の航海は主にニューヨークヘ向けたもので、船はより大きくより速いものとなり、その役目も重要なものとなってきました。
ペルシャ号(1856年)は大西洋上でキュナード社が所有した最初の鉄製の船で、また、チャイナ号(1862年)は外輪ではなくプロペラで運転された最初の船でした。セルヴィア号(1881)は鋼鉄製の船で、キュナード社の中で最初に電燈を備えた船でした。
アンブリア号とエトルリア号(1884-85年)は、共に冷凍庫を備えた船で、ブリタニア号上で新鮮なミルクを提供していた牛に比べると大きな進歩/改善を遂げました。
姉妹船カンパニア号とルカニア号(共に1893年)は、キュナード社が『趣のある沈黙の説教のよう....』と描写した船で、双発プロペラを装備し、帆を必要とせずに走行しました。ルシタニア号とモーレダニア号(1907)は、アクィタニア(1914)と共に、あらゆる競争において素晴らしく優勢であり、世界の最高級ホテルに引けを取らない客室設備を有していました。1920,30年代までに、キュナード社の乗客名簿は王室、政治家、各業界及ぴ舞台や映画スターたちの"Who's Who"(名士録)に匹敵するようになりました。
伝説的な船、クィーン・メリー号とクィーン・エリザベス号は1930年代に就航し、1960年代以降、大西洋上空を飛び交う航空機旅行が優勢になるまで活躍し続けました。キュナード社は、クルーズ(余暇を過ごすための船旅)がどのくらい人気を博すかという点を予見し、カロニア号(1949年)が今日のキュナード客船の先駆けとなりました。
世界中を航海すると同時に、定期的に北大西洋を横断するフラッグ・シップのクィーン・エリザベス2世号と英に、キュナード社の客船はこれまでと同様、サミュエル・キュナード自身が確立した豪華さと革新の大いなる伝統を受け継ぎながら、乗客の皆様を21世紀へお連れ致します。
クィーン・エリザベス2世号における『キュナード・ヘリテージ・トレイル〜キュナード社の歴史と伝統の軌跡』は、これまでの伝統と企業としての輝かしい歴史を尊重するキュナード社の誇りの表れです。そこには1840年の会社設立まで遡る、純然たる歴史が脈打っています。船の模型、航海用機器/計器、海洋絵画、キュナード社のポスター、写真、多種多様な記録、そして特別な記念品など、キュナード社が所有する貴重な品々の中でも、最も素晴らしいものを還りすぐって、船内パブリック・エリアに展示してあります。この資料は、お客様が『キュナード社の歴史と伝統』をたどりながら船内を多かれる際に、きっとお役に立つことでしょう。

エリアごとのご案内
『キュナード社の歴史と伝統の軌跡』は2デッキA階段から始まります。
それに続<展示品は、下記の番号順にご覧頂けるよう展示されております。
デッキ毎の見取り図と合わせてご利用ください。

1.オーシャン・ライナー博物館コレクション(2デッキA階段):
コンピューター・ラーニング・センター前にある2つのショーケースの中には過去1世紀にキュナード社が発行した出版物が展示されております。この展示のために資料をお貸し下さったオーシャン・ライナー博物館(ニューヨーク)の関係者の方々に感謝致します。

2.ザ・セカンド・モーレダニア(2デッキD階段前方):
2度目にモーレダニア号と名付けられたキュナード船は、バーケンヘッド、キャンメル・レアドで建造され、1939年に就航しました。船を捧げ持つブロンズ像は、“大西洋の精霊"と題されたバー二一・シール氏の作品で、モーレダニア号のパブリック・ルームを飾るために委託された数多くの美術作品の一つです。

3.キュナード・ヘリテージ・パネル(2デッキD階段)
クィーン・エリザベス2世号は、1840年にまで遡ることの出来る歴史と伝統を継承しています。この4枚の大きなパネルは1994年に英国人画家ピーター・サットン氏に製作を依頼したもので、キュナード社の歴史の中でも重要な時代が描かれています。

4.ワールド・クルーズ記念カップ(2デッキD階段)
最初のワールド・クルーズは、1922-23年にかけてキュナード社のラコニア号によって、アメリカン・エクスプレス社のチャーターで実施されました。ここに展示されたカップはこの出来事を記念したものです。

5.クィーン・エリザベス2世号の鐘(3デッキD階段後方):
クィーン・エリザベス2世号は、世界で最も祝福された、壮麗な船です。この鐘はQE2に正式登録された鐘で、広範囲に渡る施設・設備、そして無類の名声を誇るこの船と共に、21世紀も世界中の海を航海し続けます。

6.モーレタニア・コレクション(クォーターデッキD階段)
カロニア・レストランの正面には、キュナード社の客船の中でもつとに有名な『モーレタニア号』の大き<壮観な模型が展示されており、その背景には特別に委託した大西洋が描かれています。模型のそば、右舷側の壁にはモーレタニア号が処女航海へ向けて、造船されたタイン川から出航する模様を描いた絵が掛けられています。レストラン内には、モーレダニア号で使用されていた電信機と小型の模型が展示されています。

7.記念のレザー・パネル(総革)(クォーター・デッキ右舷/チャート・ルーム内)
1986〜87年にかけて、クィーン・エリザベス2世号はドイツ、ブレマーヘヴンのロイド・ウォルフト造船所で大規模な改装(ディーゼル・エンシンヘの交換・他)を行いました。このパネルはその事業を記念して造船所からキュナード社へ寄
贈されたものです。

8.チャート・ルーム(海図室の意)(クォーター・デッキ右舷D&E階段)
海洋航海術とは、科学と精微な道具、高い職人意識を持った海図製作者が描く芸術との驚くべき組合せがあって、初めて発揮されるものです。航海機器と海図は、それ自体が大変魅力的で素晴らしいものです。ここにはその中でも選りすぐりのものを展示してあります。

9.船内図書室&書店(クォーター・デッキ左舷E階段)
ここにはキュナード社の歴史的なコレクションを2点展示してあります。一つはアクィタニア号の模型で、船内の内装や様子がわかるように縦半分に割られています。もう一つはJ・ギフォード作のクィーン・メリー号を含む絵画で、図書室内に展示されています。

10.クィーン・メリー号コレクション(クォーター・デッキG階段)
クィーン・メリー号は、一般に客船旅行の"黄金時代"といわれた1936年に就航しました。そしてその姉妹船でもあるクィーン・エリザベス号と共に、当時大西洋を航行するために建造された船の中で最大の船でした。双方の船を特徴付ける1930年代の印象を、そのままここに展示してあります。

11.船内生活の壁画(クォーターデッキG階段/ザ・リド内左右両側)
ザ・リド正面入口から左右へ伸びる通路の壁に掛けられた色鮮やかな絵は、クィーン・エリザベス2世号の今日の船上生活をテーマに、シィアンカルロ・インピグリア氏(イタリア人画家/ニューヨーク在住)が描いた作品です。

12.クィーン・エリザベス号,クィーン・エリザベス2世号コレクション(アッパー・デッキG階段踊り場)
ここに展示されている数々の記念品は、2隻が全<異なった時代を通り過ぎてきた印象を与えるでしょう。

13.サミュエル・キュナードと蒸気外輪船(アッパー・デッキ/ヨット・クラブ入口前)
蒸気外輪船ブリタニア号、アジア号の大きな模型、ジョン・ストバート作で1844年冬にボストン沖で氷に阻まれたブリタニア号を描いた絵画、そしてサミュエル・キュナードの胸像が、キュナード社の初期の歴史を佑佛とさせることでしょう。また、同じくここに展示されている非常に印象的な銀のカップは、1840年、ボストン市民からサミュエル・キュナードヘ賭られた品です。

14.アメリカズ・カップ(ヨット・クラブ内)
ヨット・クラブは、ヨット・レースの中で最も権威のあるアメリカズ・カップをテーマにしています。このレースの名前は、1851年にロイヤル・ヨット・スクアドロンが組織したワイ島周遊レースで優勝した大型ヨット、アメリカ号に由来しています。

15.鎧兜(アッパー・デッキD階段)
クィーン・エリザベス2世号と世界の海港の間では、しばしば記念品の交換が行われています。この日本の鎧兜は、本船に寄贈された記念品の中で最も印象深いものの一つです。

16.ピーター・ラドモア・コレクション(アッパー・デッキD階段)
1992年に亡くなるまで、ピーター・ラドモア氏は、キュナード社の記念品の数々を世界で最も多<所蔵されていた方でした。ここには、彼がキュナード社へ遺贈したコレクションの一部を展示してあります。

17.クリスタル・バー(アッパー・デッキ前方)
ノーマン・フォスター氏による“翼のついた馬と雲"のレリーフ(浮き彫り)はクィーン・エリザベス号のために製作されたもので、バー後方にあるガラス製の壁絵制作の基になりました。

18.ブリタニア・コレクション(ブリタニア・グリル内)
1840年、蒸気外輪船ブリタニア号の就航によって、サミュエル・キュナードの大西洋蒸気船サービス事業は始まりました。ここには、その開拓の祖となった船ブリタニア号の模型が展示されています。

19.カロニア・コレクション(モーレダニア・レストラン内)
大西洋横断航路と共に世界一周航路のために建造されたカロニア号は、今日の客船の先駆けとなった船でした。モーレダニア・レストラン内には、この船の模型が造船所のプレートと共に展示されています。また、大西洋の"白馬"を描いたアルミ製の彫刻と南太平洋上のカロニア号の画は、共に特別に委託製作された作品です。

20.クィーン・エリザペス2世号進水(ボート・デッキE階段踊り場)
1967年9月20日に行われたクィーン・エリザベス2世号の進水式の劇的な模様は、ジョン・ブラウン造船所上空から写した空中写真に表れています。ファンファーレと大勢の群集の歓声が響く中、クィーン・エリザベス2世号は初めてクライド川の水の中へその船体を滑り込ませました。

21.クィーン・エリザベス2世号進水のタペストリー(ポート・デッキE階段)
脇に展示された写真を元に、これらの3枚のタペストリーは、クィーン・エリザベス2世号の進水を記念してヘレナ・ハーンマーク氏によって委託製作されました。

22.世界に広がるキュナード・ファミリー(ボート・デッキD階段)
1929年以来キュナード社の公認写真会社であるオーシャン・ピクチャーズの提供により、乗客の選りすぐった写真を展示することが出来ました。

23.ロイヤル・ポートレート(王室の肖像画)(ボート・デッキD階段)
キュナード社には、所有する各客船の船内には常に質の高い美術作品を展示するという長い歴史があります。ここにあるエリザベス女王〜クィーン・マザーの絵はクィーン・メリー号に、エリザベス王女とフィリップ殿下お二人の絵はカロニア号に展示されていた作品です。

24.英国王室との関係(クイーンズ・グリル・ラウンジ・バー*1)
キュナード社と英国王室の間は、常に強い絆で結ばれていました。その関係を示す写真がここに展示されています。サミュエル・キュナードはヴィクトリア女王により準男爵に任じられ、また、クィーン・メリー、クィーン・エリザベス、カロニアを含む多くのキュナード客船の進水式が王室の方々によって執り行われ、また彼らの訪問を受けています。クィーン・エリザベス2世号は、同じ名前の女王によって進水の瞬間を迎え、1990年にも女王の訪問を受けています。
(*1このラウンジはクイーンズ・グリルをご利用のお客様専用となっております。その他のレストランをご利用のお客様の入場はご遠慮下さい)

25.ロシア号(ボート・デッキA階段)
蒸気船ロシア号の素晴らしい模型は、クイーンズ・グリル入口近くに展示されています。このプロペラ操行の蒸気船は1867年に就航しました。そしてこれは、初期の蒸気外輪船と、外洋航海に確実な信頼性を与えた後の双発スクリュー船との過渡期を代表する船です。

ザ・ギャラリー
クィーン・エリザベス2世号船内の階段3箇所をアート・ギャラリーのように仕上げてあります。A階段の『現代美術ギャラリー』には絵画と版画の素晴らしい作品が展示されており、中には1969年に本船のために取得された作品も含まれています。E階段の『キュナード・ポスター・ギャラリー』ではキュナード社が過去に使用した色鮮やかでドラマチックな広告のいくつかをご覧頂くことができます。G階段の『海洋美術ギャラリー』には歴史的な絵画と最近のキュナード客船双方の絵が展示されています。

委託作品
その時代の最高の美術家たちに装飾作品を委託するというキュナード社の長い伝統を維持するということから、1994年、クィーン・エリザベス2世号が新し<内装を一新した際に、いくつかの新しい壁画、パネル、そして彫刻が製作されました。
・ザ・キュナード・ヘリテージ・パネル(ミッドシップ・ロビー):ピーター・サットン作。
・3枚の新しい壁画(ザ・リド内/2枚、ザ・パヴィリオン内/1枚):ジアンカルロ・インピグリア作。
・白馬の彫刻(モーレダニア・レストラン内):アルテア・ワイン作。
・カロニア号の壁画(モーレダニア・レストラン内):ジェーン・ヒューマン作。
・装飾文字を施した帯状装飾(チャートルーム内):ブロディー・ニューエンシュワンダー作。
・モーレダニア号の背景(クォーター・デッキD階段):ヴェロニク・パワー作。


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