デジカメレポート( 2003/09/05 )FujiFilm FinePix S5000インプレッション


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FujiFilm FinePix S5000インプレッション


2003年、OLYMPUSのUltraZoomシリーズのモデルチェンジ
に始まった300万画素級の高倍率ズームブーム。
OLYMPUSの独走に待ったをかけようと、
各社が製品を出してきました。

そのうちの一つ、
フジ・ファインピックスのS5000です。

フジといえばハニカムCCDというわけで、
このカメラも第4世代ハニカムCCDである、ハニカムHRの310万画素
というCCDを積んでいます。
サイズは、1/2.7インチ。
いわゆる極小画素のCCDです。
ハニカム故に、600万画素への伸張出力が出来ます。

系統的にはS304というカメラの後継機になります。
S304は6倍ズームでしたが、このカメラは10倍ズーム。
"FUJINON ZOOM LENS"
とは銘うたれてますが、キヤノンのレンズでしょうね。多分。

E-20のインプレで書いた私の要求仕様から行くと、
広角側が足りないカメラです。
しかしながら 純正テレコン、ワイコンもあり、
システムアップが可能です。

何より問題は、メディアが"XD"であること。
とはいえ、知らずに批判するのもどうかと思うので、
"XD"の評価を含めて購入に踏み切りました。

スペック

FinePix S5000の仕様
有効画素数 310万画素
撮像素子 1/2.7型 スーパーCCDハニカム HR、原色フィルター採用
記録画素数 2816×2120ピクセル/2048×1536ピクセル
1600×1200ピクセル/1280×960ピクセル 最大記録画素数:2816×2120(600万画素)
記録メディア xD-ピクチャーカード(16MB〜512MB)
記録方式 静止画 DCF[※1]準拠(Exif Ver.2.2[※2]、JPEG準拠)/DPOF[※3]対応、
CCD-RAW[※4]
動画 DCF[※1]準拠(AVI形式、Motion JPEG)
レンズ レンズ フジノン光学式10倍ズームレンズ
焦点距離 f=5.7mm〜57mm(35mmカメラ換算:37mm〜370mm相当)
絞り 開放:F2.8〜F3.2、F2.8/F3.2/F3.6/F4/F4.5/F5/F5.6/F6.3/F7/F8
手動/自動切り換え
撮影可能範囲 標準:[広角]約90cm〜∞/[望遠]約200cm〜∞
マクロ:[広角]約10cm〜約200cm/[望遠]約90cm〜約200cm
ズーム 光学ズーム 10倍
デジタルズーム倍率
(ハニカムズーム倍率)
2816×2120ピクセル時:なし
2048×1536ピクセル時:約1.4倍
1600×1200ピクセル時:約1.8倍
1280×960ピクセル時:約2.2倍
(光学10倍と併用して最大約22倍)
カメラ 撮影感度 ISO AUTO/200/400/800相当[※5]
測光 TTL64分割測光、マルチ/スポット/アベレージ
露出制御 プログラムAE[オート/シーンポジション(人物/風景/スポーツ/夜景)/プログラム]
/シャッター優先AE/絞り優先AE/マニュアル露出
露出補正 -2EV〜+2EV 1/3EVステップ(マニュアル撮影モード時)
ホワイトバランス シーン自動認識オート
プリセット(晴天/日陰/昼光色蛍光灯/昼白色蛍光灯/白色蛍光灯/電球)
シャッタースピード[※6] 2秒〜1/2000秒(メカニカルシャッター併用)
フォーカス オートフォーカス(マクロ切り換えあり、AF補助光付き)/マニュアルフォーカス
連写 連写:最短約0.2秒間隔で連続5コマまで
サイクル連写:最短約0.2秒間隔で、シャッターを離した直前の5コマまで
MEGA連写:最短約0.6秒間隔で連続40コマまで
セルフタイマー 約10秒
ストロボ 手動ポップアップ方式
調光センサーによるオートストロボ
撮影可能距離:広角:約0.3m〜約6.0m/望遠:約0.8m〜約5.5m
ストロボ発光モード オート/赤目軽減/強制発光/発光禁止/スローシンクロ
赤目軽減+スローシンクロ
アクセサリーシュー
オートブラケティング機能
多重露出撮影機能
ベストフレーミング機能
コマNo.メモリー機能
液晶モニター 1.5型 低温ポリシリコンTFTカラー液晶モニター 約11.4万画素(視野率:約90%)
ファインダー 0.33型カラー液晶ファインダー 約11.4万画素
(視野率:約90%)視度調節機構付き
ボイスメモ機能
ボイスレコーディング機能
動画 メディア容量まで連続記録、音声付き(モノラル)
320×240ピクセル、30フレーム/秒
PCカメラ機能
入出力端子 ビデオ出力端子 NTSC/PAL方式(モノラル音声付き)、専用A/Vジャック
デジタル端子 USB(Mini-B)
DC入力端子 専用ACパワーアダプターAC-5VH(別売)
ピクチャー・クレードル
電源 単3形アルカリ乾電池4本(付属)/単3形ニッケル水素電池4本(別売)
パワーセーブモード
寸法・質量 本体外形寸法 (幅)112.7mm×(高さ)81.1mm×(奥行き)79.3mm(突起部含まず)
本体質量 約337g(バッテリー、xD-ピクチャーカード含まず)
撮影時質量 約479g(付属電池、xD-ピクチャーカード含む)
動作環境 温度:0℃〜40℃[※7]、湿度:80%以下(結露しないこと)
※1 「DCF」は電子情報技術産業協会(JEITA)の登録商標で、規格「Design rule for Camera File system」の略称です。
※2 Exif Ver.2.2は、詳細な設定情報などをプリント画質に反映できる規格です。ただし、Exif対応の機器で機能が制限されるものがあります。
※3 「DPOF(Digital Print Order Format)」は、デジタルカメラで撮影した画像の中からプリントしたいコマや枚数等の指定情報を記録メディアに記録するためのフォーマットです。
※4 CCD-RAWモードでは連写、サイクル連写、MEGA連写はご使用いただけません。また、このCCD-RAWの画像の変換には、付属のソフトウェアが必要です。
※5 ISO800時は1280×960ピクセルに設定されます。
※6 撮影モードによりシャッタースピードは異なります。
※7 寒冷地(10℃以下)では電池の性能が低下し、使用時間が短くなります。


FinePix S5000 xD-ピクチャーカード標準撮影枚数/記録時間(撮影枚数/時間は多少の増減があります)

記録画素数
(ピクセル)
画質モード/
フレーム数
1コマの
データサイズ
(KB)
xD-ピクチャーカード
16MB 32MB 64MB 128MB 256MB 512MB
2816×2120 約1500 10 21 43 86 173 347
2048×1536 約780 19 40 81 162 325 651
1600×1200 約630 25 50 101 204 409 818
1280×960 約470 33 68 137 275 550 1101
2816×2120 CCD-RAW 約6700 2 4 9 18 37 75
動画(320×240) 30フレーム/秒 26秒 54秒 1分49秒 3分39秒 7分19秒 14分39秒

FinePix S5000 電池・バッテリー寿命[☆1](撮影可能枚数などの目安)

  アルカリ乾電池 ニッケル水素電池 充電式リチウムイオンバッテリー
液晶モニター時 約260枚 約420枚
液晶ファインダー時 約270枚 約440枚
最大撮影可能枚数 約4,700枚(連続撮影約165分)
(付属のアルカリ乾電池、常温、記録画素数1M(1280×960ピクセル)、液晶ファインダー時、ストロボ発光なし)
FinePix S5000では、マンガン電池、ニカド電池はご使用いただけません。
アルカリ乾電池は銘柄により寿命に差があります。
充電式電池はフル充電した場合です。
使用条件により異なります。
☆1 常温、30秒に1回の撮影、2回に1回ストロボ発光。W→TまたはT→Wの移動/枚。

良い所、悪い所

使ってみて解る事も有ります。
もっとも特徴的と思われる部分を上げてみます。

良い所
・まるで一眼レフのような精悍なブラックボディでかっこいい
(性能には関係ありませんが....(^_^;)
・コンパクトである。
・10倍ズーム搭載。
・標準でフィルタアダプタが同梱。
・純正テレコン、ワイコンが用意されている。
・ハニカムによる伸張600万画素出力あり。
・上記ハニカムの伸張に関連して、低画素(3M以下)においては、
比較的まともなデジタルズームが使える。
・定評のある露出とWB。
・人間の肌を撮らせるとトップクラスの発色。
・なかなか良く出来た連写機能。

悪い所
・EVFが粗い。もう悲しいほど。
・ハニカム特有のノイズは比較的目立つ。
・上記ノイズゆえ、600万画素はプリント用途以外では等倍では見れない。
・意外と倍率が低いマクロ。寄れるのはワイド端のみ。

現在の役どころ

小旅行カメラ。
とにかく一台でそれなりに全部こなせるので便利です。


総括

典型的なメーカー提供"運動会"カメラ。
FZ1ほどはとがっていないので、比較的
とっつきやすいカメラです。

伸張出力とはいえ600万画素出力ができるので、
他の300万画素級高倍率ズーム機よりはちょっと高い。
その分、見栄えを良くした外観で、割高感を押さえているような
感じがします。
確かにかっこいいカメラです。

ハニカムの画像をどうみるかが、この機種のポイント。

等倍の絵をディスプレイで見るのは自殺行為。
自分が普段扱うサイズでのハニカムノイズの有無が、
命運を分けることになります。

6Mで常用するか、もしくは2Mで撮るのが
使い勝手がよいと思っています。


ハニカム画像サンプル

1Mモード
2Mモード
3Mモード
6Mモード
  元画像から480x360に縮小 元画像の右下部の原寸切り出し
3Mモードでも、原寸では結構ノイジーです。
2Mモードがいい感じです。

標準添付アクセサリ

・レンズアダプター AR-FX5

従来品のAR-FX9は使えません。
カメラ側が52mmのようです。

専用アクセサリ

・ワイドコンバージョンレンズ WL-FX9

S5000の専用品として黒ボディのWL-FX9Bという製品もあります。
WL-FX9は、アダプタのAR-FX9が同梱されているため、定価が高いです。
しかもS5000では使えないので、S5000のみを使われる方は、
FX9Bを買われることをお薦めします。

28mm相当の広角になります。

標準状態ワイド端

ワイコン装着
テレ端では激しく収差が出て使えません。

・テレコンバージョンレンズ TL-FX9B

TL-FX9の黒バージョンです。
違いは色のみ。値段も一緒です。
550mm(?!)相当の望遠になります。

標準状態テレ端

テレコン装着
ワイド側ではケラれます。

撮影サンプル


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