デジカメレポート( 2003/08/26 )Panasonic LUMIX DMC-FZ1 ワイドコンバータ検証その2


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Panasonic LUMIX DMC-FZ1 ワイドコンバータ検証その2

結論から言ってしまうと、今回の一押し。常用レンズ決定です。

スペシャルフードアダプタ

FZ1にコンバージョンレンズを装着する場合、
最もネックとなるのが標準添付品のフードアダプタです。
一応、55mm径のフィルタネジが切られているのですが、
どうもこのネジが怪しいんですよね。
重量級のレンズを装着すると外れてしまうという
報告が各所で見られます。
これを防ぐ為に、パナ純正のプロテクトフィルタを
かませてから装着するという小技が
定番となっています。
しかし、この方法ではワイコン装着の場合には、
はなはだ不都合な事が多くなってしまいます。
つまり、装着するレンズまでの距離が、
プロテクタフィルタの厚み分、余計に遠くなるということです。
これは何を意味するかというと、
装着するレンズによっては、よりケラれてしまう
素地を与えているという事に他なりません。
55mm径以外のレンズであれば、
さらにステップダウンやステップアップリング
をかます事になるので、尚更です。

私は、55mm径のコンバージョンについてはフィルタ経由、
それ以外のレンズについてコンバーターリングの
直付けという方法を取って来ました。

しかし、よくしたもので、同じような事で悩む方は
いる訳で....

FZ1の情報は、"価格.com"のFZ1クチコミ掲示板が
その質、量ともにNo.1だと思っていますが、
ここで紹介されている"ブタバラアダプタ"という
ものがあります。

材質はジュラルミン。
FZ1附属のアダプタとは別次元の剛性です。
がっちりと装着する事が出来ます。

フードは装着する事は出来ませんが、
まぁ、コンバージョンレンズをつける場合は、
フード自体、意味は無いので問題なしです。

FZ1の色に合わせて、黒と銀、更に
55mm径と52mm径のフィルタねじをもつ
アダプタがラインナップされています。

今回は、これを調達する事が出来たので、
再度、ワイコン検証を行いました。


52mmのアダプタを装着した状態です。

ブタバラアダプタについては、こちらをご覧下さい。

どのワイコン?
さて、前回検証したワイコンも含め、
今回は、以下のワイコンで試しました。

No. メーカー 型番 倍率 装着
フィルター径
1 Raynox DCR-720 x0.72 52
2 Raynox HD-4500Pro x0.45 52
3 Raynox DCR-6600Pro x0.66 52
4 FUJI WL-FX9 x0.79 55
5 OLYMPUS WCON-08 x0.8 55
6 OLYMPUS WCON-07 x0.7 55
7 CANON WC-DC58N x0.7 58
8 Raynox CRW-6690 x0.66 58
9 Raynox HD-7000Pro x0.7 58

の9本です。
デジカメ用コンバージョンレンズをかじった事のある方でも
見慣れない型番のレンズがあると思います。
No2とNo9ですね。No8は一部の方はご存知でしょう。

No2とNo9は、実はデジタルビデオ用のコンバージョンレンズです。
昨今のデジタルビデオにおけるスチル性能は、
ちょっと前のデジカメのレベルに達しています。
よって、ビデオ用のコンバージョンレンズに求められる性能も、
デジカメ用とさして変わらないというのが現状です。
極端な例ですが、表中のRaynoxのDCR-720は、
カタログ上はデジカメ用、デジタルビデオ用、両方に
掲載されているほどです。
良いものであれば、デジカメでも充分使えるレンズであることは
充分に予想できます。
特に、HD-7000Proは、Raynoxの直販でしか販売されていない
製品ですが、デジカメ用、デジタルビデオ用を含め、Raynox製品
の中では最高の解像度を誇るレンズです。
しかも全域ズーム対応を謳っています。

No8は、物としてはDCR-6600Proの同等品ですが、装着フィルター径
が58mmの製品です。CANONのPowerShot 90IS Pro用と
銘うたれています。
DCR-6600Proより実売価格では安く手に入ります。
純正フードアダプタ+ステップダウンの組み合わせだと、
DCR-6600Proではワイド端でごくわずかですがケラれがでます。
これを嫌って購入していたものです。
PowerShot G3のアダプタ径が58mmというのもありましたが....

装着ノウハウ
今回は"ブタバラアダプタ"利用という事で、
特に注意点はありません。
52mmのレンズは52mmアダプタ経由、
55mmのレンズは55mmアダプタ経由、
58mmは、55mmに55->58のステップアップリングを装着して利用しました。

さて結果は?

以前と同様不確定要素を避ける為、

・手ぶれ補正オフ
・三脚使用
・セルフタイマーでレリーズ

で撮影しています。

装着比較

まずは装着した絵です。


DCR-720

HD-4500Pro

DCR-6600Pro

WL-FX9

WCON-08

WCON-07

WC-DC58N

CRW-6690

HD-7000Pro

最初の3つが52mmアダプタ、後の6枚が55mmアダプタです。
52mmは艶ありっぽい黒、55mmは艶消しっぽい黒の塗装でした。
ブタバラさんによると、塗装についてはロットによって多少違うとの事です。

画角比較

画角比較です。


コンバージョンレンズ無しワイド端

DCR-720

HD-4500Pro

DCR-6600Pro

WL-FX9

WCON-08

WCON-07

WC-DC58N

CRW-6690

HD-7000Pro

さて、如何でしょうか。残念ながら、HD-4500ProとWC-DC58Nはケラれています。
DCR-720は歪曲多め。
HD-4500Proは、もうセミフィッシュアイといってもいいような
歪曲です。でもこれはこれで面白いですね。
左端のとんがり屋根の構造物に注目すると、
画角が良くわかります。
DCR-720以外は、ほぼ公称どおりの倍率と考えて良いと思います。

ちなみに前回の検証ではケラれていたDCR-720は、
見事にOKになっています。

ちなみに、HD-4500Proをケラれない最大で使うと
こんな感じになります。

圧倒的ですね。

テレ端検証

さて、問題の"全域使えるか”です。
目的はつけっぱなし運用なので、
これは私にとっては重要な項目になります。


コンバージョンレンズ無しテレ端

DCR-720

HD-4500Pro

DCR-6600Pro

WL-FX9

WCON-08

WCON-07

WC-DC58N

CRW-6690

HD-7000Pro

使えるレンズは

・DCR-720
・HD-4500Pro
・HD-7000Pro

の3本ですね。
残りは収差でメタメタです。
基本的に、6倍程度のズーム域であれば、
どのレンズも大丈夫です。だいたい35mm換算で
200mm近辺が境界になります。

画質検証

さて、画質です。
まずは中央部を原寸で切り出したものです。


DCR-720

HD-4500Pro

DCR-6600Pro

WL-FX9

WCON-08

WCON-07

WC-DC58N

CRW-6690

HD-7000Pro


周辺部を原寸で切り出したものです。

画面上、同じ場所で切り取っているので、
画角が広いレンズほど、中央寄りになります。


DCR-720

HD-4500Pro

DCR-6600Pro

WL-FX9

WCON-08

WCON-07

WC-DC58N

CRW-6690

HD-7000Pro

どうでしょうか?
やはり、メーカー製コンバージョンレンズは
明らかにクリアですね。
無理に補正していないDCR-720も、
なかなかクリアです。
HD-4500Proを除けばひどいものはありません。
HD-4500Proは、やはり圧倒的な画角に
物を言わせるタイプのレンズですね。


総括

さて、ベストチョイスはというと....

付けっぱなしずぼら用途向け DCR-720、HD-7000Pro
一発芸タイプ HD-4500Pro
ワイド端のみ利用 DCR-6600Pro、WL-FX9、
WCON-08、,WCON-07、
CRW-6690
お薦めしません WC-DC58N

という感じになります。

HD-4500Proの絵は圧倒的です。
これは面白いレンズです。
しかも、ワイド端のケラれを除けばズーム全域で利用可能です。
Raynoxのフィッシュアイは高いですが、同じような効果を
これで得ることが出来ます。
一本あっても悪くないレンズです。

DCR-720とHD-7000Proは価格差が倍ほどあります。
画質はDCR-720がなかなか良いので、
明らかにHD-7000Proが良いとはいえません。
しかし、歪曲が違います。
高いだけあってHD-7000Proの歪曲の補正は、
メーカー製レンズにヒケをとりません。
広角レンズとして常用するのであれば、
HD-7000Proがお薦めです。

メーカー製レンズは、全域では使えません。
ワイド側のみ利用時に装着ということであれば、
正直に言って、キヤノン以外どれでもOKです。

DCR-6600とCRW-6690の2本はどちらも同じ光学系
ですね。値段とフィルター径で、なるべくコンバージョン
リングなどをつけずに使えるものを選べば
良いと思います。
HD-6600Proというデジタルビデオ用の製品もあります。
これも上の2本と同じです。
DCR-6600Proって、結構高いですから、
HD-6600Pro、CRW-6690と値段を見比べて購入してください。
CRW-6690は、置いてあれば実売価格はDCR-6600Proより安いです。


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