デジカメレポート( 2003/08/05 )Canon EOS10Dでワイコンを試す(EF 28-135mm F3.5-5.6 IS USM編)


Back

Canon EOS10Dでワイコンを試す(EF 28-135mm F3.5-5.6 IS USM編)


違うレンズで....(Part-2)

リクエストをいただきましたのでしつこくワイコン検証です。
今回の装着元は、銀塩EOSであれば、
定番中の定番レンズ

EF 28-135mm F3.5-5.6 IS USM

です。
自分的には、24-85があるので、敢えて10Dに装着した状態で
ワイコンを使う意味は無いのですが、むしろ、組み合わせ
としては、こちらの方がより一般的なのかもしれません。

リクエストをいただいた方の弁によれば、
「コンパクトデジカメのように使いたい」
という事でした。ズーム倍率で4倍〜5倍前後
という事になりますから、広角側をなんとか35mm以下にできれば、
確かに万能的に使えそうです。


フィルター径は72mm。
前回の17-40の経験から、52mmでも問題ないであろう事は
充分予想されます。

試したのは

52mmのDCR-6600Pro、DCR-720(以上Raynox)
55mmのWCON-08、WCON-07(OLYMPUS)
58mmのWC-DC58N(Canon)
62mmのWCON0-08B(OLYMPUS)

です。

オリジナルからの換算値は公表値で以下のようになります。

フルサイズ 10D換算 DCR-6600Pro DCR-720 WC-DC58N WCON-07 WCON-08 WCON-08B
倍率 x1.6 10Dx0.66 10Dx0.72 10Dx0.7 10Dx0.7 10Dx0.8 10Dx0.8
ワイド端(28mm) 44.8 29.57 32.56 31.36 31.36 35.84 35.84
テレ端(135mm) 216 142.56 155.52 151.2 151.2 172.8 172.8

しかしながら、実写では意外な結果が....

装着ノウハウ

特にありません。
普通にステップダウンをかませて
装着します。

ただし、このレンズ、コンバーターを
前部に装着すると、かなりズーミングが重くなります。

こんな感じになります。

DCR-720
DCR-6600Pro
WC-DC58N
WCON-07
WCON-08
WCON-08B

どうでしょうか?
バランス的にはやはり一番大きなWCON-08Bが違和感が
無いように思います。
ただし、このレンズ、重いので、ズーミングは一番
しんどい感じです。
軽いのはDCR-720ですね。
WC-DC58NとWCON-07も見た目よりは軽い感じです。


本当に使えるのか?

使えるかどうかは、過去2本のレンズで充分想像できるように
ワイド端ではまったく問題はないと予想していました。
問題はテレ端ですね。

ワイド端での画角比較


オリジナル

DCR-6600Pro

DCR-720

WCON-08

WCON-07

WC-DC58N

WCON-08B

どうですか?
理論換算値との違いに気が付かれると思います。
(※)コンバージョンレンズの重さで、弱冠アングルが上下するので、
天地方向の画角はあまり重要視しないで下さい。
参考までにE-20で撮った絵を載せます。
(※)アスペクト比が違うので、天地方向の画角は比較しないで下さい。

ワイド端(35mm相当)

WCON-08B利用(28mm相当)

DCR-6600Proが、もっとも広画角なのは一目瞭然ですが、
オリンパスの2本のx0.8が、公称x0.8であるにもかかわらず、
0.72倍のDCR-720の画角を上回っています。
歪曲ですが、DCR-720以外は、問題なしといって
良いかと思います。
WCON-07とWC-DC58Nは同じといってよいでしょう。
ただし、WC-DC58Nは、ワイド端では弱冠ケラれてます。
やはりあの独特の長い鏡筒は、汎用的に使うには
阻害要因でしかないですね。
DCR-6600Proも弱冠ケラレますね。WC-DC58Nよりは
目立ちませんが。

画質ですが、周辺部と中央部で原寸大で抜いた絵で見てみます。

レンズ 中央部分 周辺部
DCR-6600Pro
DCR-720
WC-DC58N
WCON-07
WCON-08
WCON-08B

周辺部については、画角が異なるので、なるべく同じ部分というイメージ
で抜いています。
OLYMPUSの2本のx0.8と、WC-DC58Nの優秀さが目立ちます。
WCON-07はこれらに比べるとだいぶ落ちますね。

次はテレ端です。
こちらの場合は、例の収差による象流れがあらわれるかどうか
がポイントになります。


オリジナル

DCR-6600Pro

DCR-720

WCON-08

WCON-07

WC-DC58N

WCON-08B

象流れの現象が起きていないのは、DCR-720のみです。
後のコンバージョンレンズは、多かれ少なかれ、この現象が出ます。
付けっぱなしでの運用は難しいですね。

DCR-720は、付けっぱなしでもOKです。

また、ここで面白いのは、DCR-720の画角が、
他のレンズ(除くWCON-07)よりも広くなっていることです。
DCR-6600Proに肉薄してます。
このあたりに、全域対応の秘密がありそうです。

総括

まず、ワイド時に限定して使うとして考えると、

DCR-720:ケラれは無いが画角が物足りない、画質も今ひとつ
DCR-6600Pro:もっとも画角が広いが弱冠ケラれる。画質はOK
WC-DC58N:ケラれる。画質良い
WCON-07:ケラれ無いが、画質は他のオリンパス、キヤノンに劣る。
WCON-08:画角もx0.8とは思えない程広い。画質良し。
WCON-08B:画角もx0.8とは思えない程広い。画質良し。しかしWCON-08と比べて有利さは認められない。

広さをとるならWCON-07、画質をとるならWCON-08が良いと思います。
今回のケースではWCON-08Bをわざわざ使う意味はありません。
細かく見ると、08Bの方が弱冠ですが画質は良いようですが、
価格差に見合う差があるかといわれれば、無いと答えます。
10Dでの利用に限れば、WCON-08で充分ですね。

WCON-07はちょっと期待はずれでした。
WCON-08と比べると明らかに画質は落ちてます。
見た目より軽いというのが、何か関係しているかもしれません。

付けっぱなし用途で考えるのならば、選択肢はDCR-720しかありません。
公称倍率に遠く及ばない感じのDCR-720ですが、
ズーム全域OKというのは捨てがたい魅力です。
レンズそのものも、もっとも小さく軽いので、レンズへの
負担も少なくて済みます。
歪曲も大きいですし、画質は明らかに他のレンズに比べて落ちますが、
なにせ、価格は半値以下ですから。
それを思えば、コストパフォーマンスは最高でしょう。


Back

ご感想をおまちしております。