デジカメレポート( 2003/05/22 )Canon EOS10Dでワイコンを試す(その2)


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Canon EOS10Dでワイコンを試す(WC-58N編)


PowerShot G3用のワイコン

ワイコン検証第二弾です。
同じキヤノンということで、期待も高い
PowerShot G3用のワイコン

WC-58N

です。
フィルター径は 58mm。
しかしながら0.7倍というワイコンになります。

装着ノウハウ

今回はフィルター径は58mmになります。
前回と同じく、

EF 24-85mm F3.5-4.5 USM

での使用になりますが、

67->58

というステップダウンとなります。
径方向で、周辺部から4.5mm。
小さい値では有りません。
こんな感じになります。


未装着状態

レンズ外周部の文字の部分は、殆ど隠れてしまいます。


トップの絵も装着したイメージですが、もう一枚。

さすがに接合部の"くびれ"が目立ちます。
写りは大丈夫でしょうか???

本当に使えるのか?

WCON-08Bの結果で、ケラレさえなければ
それなりに使えるという感触はあったので、
期待が高まる実写です。

まずは画角の違いです。


ワイコン未装着(絞り開放)
Shutter speed: 1/2000 sec
Aperture: 3.5
Exposure mode: Av
ISO: 100
Lens: 24.0 to 85.0 mm
Focal length: 24.0mm

EOS10Dにおける実質焦点距離
38.4mm(24x1.6)

ワイコン装着(絞り開放)
Shutter speed: 1/2000 sec
Aperture: 3.5
Exposure mode: Av
ISO: 100
Lens: 24.0 to 85.0 mm
Focal length: 24.0mm

EOS10Dにおける実質焦点距離
26.88mm(24x1.6x0.7)

いい感じです。周辺部の流れもありません。
解像感もあります。
28mmを越える画角は、広角らしい表現を
可能にしてくれます。

左上の光量落ちは、後の作例でわかりますが
開放時のみです、絞れば消えます。
ケラレでは有りません。

元レンズの性能が、拡大してしまったものと
解釈してよいと思います。

以下、ワイド端とテレ端で絞りを変えて撮影してみました。

ワイド端 テレ端
絞り開放
ワイド端:F3.5
テレ端:F4.5
F5.6
F8.0
F11

やはりテレ端は象が流れます。
ただ、オリンパスと違うのは、絞り込む事によって、
多少、改善が見られるということでしょうか。

ワイド端の左上の光量落ちは、F5.6でもわずかに見られます。
しかし、F8.0まで絞ると無くなります。

次は、ワイド端からテレ端まで徐々にズーミングしていった画像です。
絞り開放とF8.0まで絞ったサンプルです。
各焦点毎に、全体、中央部分原寸、左下隅原寸の順です。

開放 F8.0
24mm
50mm
85mm

こんな感じでした。
傾向としてはWCON-08Bによく似ていますが、
こちらの方が使える感じがします。、

・開放は使わない方が良さそう。周辺光量落ちが顕著
絞れば改善される。
・テレ側周辺部の描写はかなり甘い。ワイド側は絞れば充分使える。

というところだと思います。
F8.0以上で、ワイド端から、50mm前後までは
充分使える範囲と思います。
それ以外の場合は、中央部をいかした作画を
意識する必要があります。


総括

これは使えます。
なにより、ワイド端で27mm弱っていうのは魅力ですね。

ただし、基本的に、装着元レンズの性格が拡大されてしまう
傾向が読み取れます。

ワイド端での周辺光量不足は、樽型歪曲の
影響もありそうですし、テレ端での流れは、
流れの方向を良く見ると、どうも糸巻き歪曲が
誇張されているように見受けられます。

元レンズに、もう少し素性の良いレンズをもってくれば、
違った結果になる可能性はあると考えます。

ただし、これ以上のステップダウンは、ワイド端での
ケラレの心配が拭いきれません。
WCON-08Bでは、今回のようなワイド端での明らかな周辺光量不足
は認められませんでしたので、ステップダウンの影響も無視
出来ないと考えた方が自然ではないかと思います。

EF 24-85mm F3.5-4.5 USM

であれば、50mmまでの利用で、F8以上絞る事で
充分実用になると判断しました。
EOS10Dでは、およそ

27mm〜96mm

という換算値になります。
WC-58NはWCON-08Bよりも入手性は良いですし、
何より安い。
又、サブとして、G2やG3をお持ちの方も10Dユーザーには
少なくないでしょうし、G2やG3からのステップアップで、
10Dへ移ってきた場合でも、過去資産が活用できる
ということにもなります。

お薦めですね。


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