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アラスカの氷河のフィヨルドに浮かんだ日本高速フェリーのさんふらわあ11(13,614d)です。 いまから32年近く前、それまで、いやそれ以降にも全く例を見ない、長距離フェリーとしての常識や合理性をまったく無視して、外航大型客船そっくりに造り上げられたこの稀代の名船は、平成5年、フィリピンに売却され、数年後台風により海の底深く消えていったと記憶しています。 この船の絵を描くにあたって、いちばん迷ったのはバックとなる風景の設定でした。 結果、「ひまわり」マークを強調したいという思いから鏡のような静水面に浮かべたいと、この船によるアラスカクルーズをでっち上げました。 もしフィリピンにフェリーとして売られずにクルーズ客船として再生されていたなら、本当にこんな光景が見られたかもしれません。そのとき船腹に描かれたさんふらわあのマークは本物の「ひまわり」として咲き誇っていたことでしょう。 わたしの絵ではこの船の本当の美しさは十分の一も伝えられないかもしれませんが、かつて日本にこんな素晴らしいカーフェリーがあったことを思い出していただければ幸いです。 |